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Arovane11年振りの来日公演によせて ―永遠の長さを知るサウンドデザイナー (PART1)

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ドイツのArovaneこと、Uwe Zahnが求めて続けてきた音像というのは、ジャーマン・ミニマルを巡るオルタナティヴな短史だったのかもしれない。80年代の終わりからのミュンヘンのS.A.M.との創作関係性、90年代以降のベルリン期のサウンド。彼のサウンド・テクスチュアとはあくまでミニマルでありながらも、ヒップホップのビートと〈Warp Records〉系のアーティストの一部にあるような幻惑/好戦性を行き来するドープな何かとの共振がむしろ、チャームでもあった。このたびは、2003年以来となる来日公演を前に、新たに行なった彼とのメール・インタビューでの言葉も含めて、改めて彼の来日を祝うべく、簡単ながら、来歴を追いたいと思う。

私はずっと音楽を作ることは辞めていない。でも、音楽ビジネスにおいて休息はいるんだ。

15、16歳から音を具体的に作り出し、構成などを考えはじめ、Kraftwerkの「Autobahn」がラジオから流れると、そのドップラー効果とシンセサイズされた車の音に魅了されたというのも彼らしくて、筆者も好きなエピソードの一つだ。

Aphex Twinの思わぬ13年振りの2014年の新作『Syro』が“彼そのものでしかなかった”ように、Arovaneの音にも普遍/不偏の響きがあった。比較対象とは精緻に違うが、例えば、UKのキエラン・ヘブデンことフォーテットが迅速に、都度のワークスで彩味を変え、進んでゆくのと比して、彼はあくまで寡黙にマイ・ペースに活動を進め、フロア以外でも愛される音を紡ぎ続けてきた。

04年の『Lilies』はたおやかながらも、クリック・ハウス色を持った曲もあり、アクチュアルにリッチー・ホウティン、もしくは別名義たるPlastikmanとのシンクする要素も当時、筆者としては伺えもした。美しいダウン・ビートの「Tokyo Ghost Story」という曲が入っていたなどもあり、日本でも特に認知度が高い作品のひとつだろう。また、〈Compost〉界隈のJazzanovaなどに備わっていた硬質なメロディアスな要素があったのも彼の存在性をより高めたといえる。しかし、『Lilies』では荘厳で物悲しさも見えたアンビエント曲「Good Bye Forever」が最後に収録されており、具体的な表明はなかったものの、Arovaneとしてのキャリアに幕引きをしたように思えた。

なお、「Good Bye Forever」という意味深いタイトルを含んだ曲には2013年の取材で振り返って、こういった言及をしている。

「永遠はどれくらいの長さなのだろう?確かに、私は長い間さよならを言ったし、旅行を楽しんだり、人には会ったり、時おりは演奏もしていた。この曲はセンチメンタルだと思う、でも、新しい始まりでもあったんだよ。」※1

音楽そのものへの情熱を決して失った訳ではなく、当時のことを彼は海外メディアのインタビューでは以下のように答えており、新たに行なったインタビューでもこうした言葉を残している。

「2003年から2004年の頃、私は音楽業界にうんざりしていた。だから、ビジネスから休みを置いて、完全に違う何かに打ち込んだ。スタジオ機器の一部を売却して、出力が大きく、軽量なモーターバイクを買ったんだ。それで南フランスにも旅行に行ったし、ドイツも旅したよ。」※2

「ええと、私はずっと音楽を作ることは辞めていないし、でも、音楽ビジネスにおいて休息はいるんだ。当時の判断は良かったと思っている。なぜなら、思考の整理ができたことで、音楽産業への姿勢が変化したから。今、ライヴのための何のプレッシャーもなく、サウンドデザインを固め、新しい音楽を書いている。今はサウンドデザイン部門のフリーランスとしてやっているのだけど、自身にとってそれは自然なことで、自分の音楽とサウンドデザインは元々、密接に結びついていたから。」

要は、自身にとって大切な音楽から一旦、距離を置く必要性があり、そこから再び音楽を作る活動に戻り、サウンドデザイナーとしての活躍する今へは断線はないということだ。

ここで、“サウンドデザイン”という言葉にピンと来ない人も居るかもしれないので、補足をしておくと、映画から派生した言葉で、ウォルター・マーチという音響技師がフランシス・フォード=コッポラの『地獄の黙示録』で音響を担当した際に名付けた由来がある。現在では音楽とは舞台、アートや多くのフィールドがクロスオーバーするのもあり、サウンドデザインというのもまさしく“音のデザイナー”として特定的な定義を越えてきている。※3


※1 astrangelyisolatedplaceより
http://astrangelyisolatedplace.com/2013/10/03/the-return-of-the-electronic-architect-an-interview-with-arovane/

※2 Headphone Commuteより
http://reviews.headphonecommute.com/2013/10/17/interview-with-arovane/

※3 サウンドデザインが作る新しい世界 森永康弘インタビュー CINRA NETより
http://store.cinra.net/static?content=interview-morinagayasuhiro1

なお、注釈のない彼の言は2014年10月に行なったメール・インタビュー内でのものです。

Text & Interview:Satoru Matsuura


Arovane11年振りの来日公演によせて ―永遠の長さを知るサウンドデザイナー(PART2)

【来日公演情報】Loscil / Arovane Japan Tour 2014

2014/11/22(土)CIRCUS(OSAKA)
OPEN/START 22:00
[LIVE]
Loscil(Kranky)/ Arovane(n5MD)/ Ametsub (nothings66) / Eadonmm (Day Tripper Records/IdleMoments) + [VJ:Tatsuya Fujimoto]
[DJ] Lady Citizen(AN/AY)JOKEI.(SOLARIS/INCIDENT)

2014/11/24(月/祝)METRO(KYOTO)
OPEN/START 17:00
[LIVE] Loscil(Kranky)/ Arovane(n5MD)/ Ametsub (nothings66)
[DJ] Lady Citizen(AN/AY)/ Tatsuya Shimada (night cruising)

2014/11/26(水) at WWW(TOKYO)
OPEN/START 18:00
[LIVE]
Loscil(Kranky)/ Arovane(n5MD)/ Ametsub (nothings66)
[DJ]Daito Manabe(Rhizomatiks)


チケット情報はこちらから

[Interview] shotahirama

– 最初にhiramaさんの音楽遍歴を教えてください。
いつくらいから音楽に興味を持ち始めましたか?

最近自分の新作アルバムNICE DOLL TO TALKのプロモーションもあって、いろいろな所でインタビューを受けているのですが、必ずこの質問に出会しますね。決まってこう答えています、僕は某中古レコード屋で19だか20だかで働き始めるのですが、そこをオリジンに捉えていますね。もちろんそんな会社に入社するぐらいですから、だいぶ早い/幼い時期から音楽に強い興味はあっただろうし、他の何より特別強い想いがあった訳なんですけど。この様な質問で、具体的に答えを指し示すには、このレコード屋に入社してから、っていうのが一番都合いいかなぁって。

– どのような音楽的なバックグランドを経て今のスタイルがあるのでしょうか?
また、ニューヨーク出身と言うことで、そういった海外経験も今の音楽に影響していると思いますか?

僕個人史においての音楽的背景、一言で表すならば『逸脱』です。パンクやオルタナティヴ、ノイズにビザール、逸脱なものへの憧れから始まって、やがて自分の中で噛み砕いては共感し、いつしか自分自身が『とある何かにおいて逸脱する』という状況/状態が一番自分らしくいられる心地よいポジションになっていて。ニューヨークでの10数年にも及ぶ生活というのも強く影響していると感じます。その『逸脱』という考えに。何処にも属さないし、少しみんなと考えがずれてると思われる事になんの抵抗も無かったですし。常にとある事象においての逸脱点を考え生活する。でも軸となるものはぶれないように、インナーマッスルは鍛えておく。例えば、シーンの流行に一切捕われないように、とか。鈍感ではダメですよ、敏感だからこそ、俊敏に動けるんです。

– 前回のアルバムが42曲20分に対して、今回のアルバムは1曲14分のみという構成になっていますが、
こういった構成に至った経緯等があれば教えてください。
何かコンセプト的なものや心境の変化等はありましたか?

僕の作品はとにかく『短い』ですよね、尺が(笑)。正直な話、僕は長尺の楽曲は聴き込めないんです、途中で飛ばしてしまうか、アルバム全編を聴き終える前に針をあげてしまう。聴覚の集中力が持続しないんですよ。これ、作り手に話を置き換えても、残念ながら僕の性質は変わらなくて。特別、音の響きに特化した作品を作っているので、凄く細かいトラックメイクになるんです。メロディもないしリズムもない分余計に。どんなに根気よく、どんなに絶好調でも、どんなに耳の通りがいい日でも、結局1年半かけて10分か20分のアルバムしか作れないんです。なので、コンセプトというよりは、むしろ今作に関しては特別コンセプトを用意せずに極力音の響きに集中しようとした結果がそういった構成に僕を導いたのです。アルバムは短いですが、無駄な響きは一切収録されていないと思います。

– 影響を受けたアーティストを教えてください。
また、音楽以外からもアーティストshotahiramaを形成しているものがあれば教えてください。

もちろんこれまで自分の作品に帯コメントを提供して頂いたevala(port, ATAK)さんやAmetsubさんには多大なる影響を受けています。それから、僕はSIGNALDADAというレーベルを運営していながらmAtterというレーベルにも所属しているのですが、ここのレーベルオーナーであるYukitomo Hamasaki氏にも大きな影響を受けています。それからそれから、音楽以外で僕を形成しているのは、ほんと常々公言していますが、娘と妻ですかね。娘がいるから頑張れるし、妻がいるから人間として最低限のマナーが保たれている(笑)生活は決して楽では無いですが、彼女達が居なかったら僕の人生はもっと酷いことになっていたと思います。想像するだけでゾッとする
ような(笑)

– レーベルオーナーとしても活動されていますが、レーベルSIGNALDADAのコンセプト/スタイル等を教えてください。

2010年に個人事務所として設立して、当初はいっちょまえにコンセプトに忠実なスタイルを貫いていたのですが、なんだったかな、『文学的思想におけるイメージと音楽の形態的な響き』みたいなコンセプトがあったのですが、今となってはSIGNALDADAというよりはshotahiramaがイメージとして前に突出し過ぎてる感も否めないです(苦笑)というのも、ほんとに僕ひとりで動かしているので、曲作りからCDが完成して、こういったプロモーションも含め、売り込み営業までなんでも。作品こそぶれませんが、ほんと今となってはレーベルコンセプトなんてどうでもいいです。要するに、僕自身がレーベルコンセプトないしは『カラー』なので、僕のやりたくない事はやらない、僕がやりたい事をやる、っていう大雑把な究極論にまで達している。急に言葉の肉付きが悪い/歯切れの悪い言い回しで申し訳ないですが、ほんとそんなもんです。それよりも、CD作品に僕の今とすべてが注ぎ込まれているし、なんだろ、イベント企画やこういったインタビューで出てくる僕の一面が僕のそのときのトレンドです。でも、でもですよ、自分を擁護する形になるかもしれませんが、逆にコンセプトだけしか浮き彫りにならない、なんてのもこのご時世古いと思うんですよ。

– レーベルのオンラインストアでは他のレーベルの作品も販売していますが、どういったところに魅力を感じていますか

レーベルのオンラインストアというとGARBAGE COLLECTIONですね。レーベル設立の1年後ぐらいに開設したもので、僕個人的にはレーベルも小売業としてしっかり機能させなければ、というなんだか真面目な側面を確保ないしは提示出来ればと思ってスタートさせました。こういう窓口があるないではだいぶ印象が違いますもんね。お金に困ってたのもあるし(笑)それに、どこどこの店頭で売れたとか、ディストリビューターを通して売れたとか、そういう事よりも、僕にとって買い手と直接繋がれる感じも今の時代わりかしスペシャルな出来事だったし。とはいえ、自分のレーベル作品だけではショップが機能しない。ヴァリエーションを持たせる為に徐々に他レーベル作品の取り扱いを始めてみました。僕がSIGNALDADA以前に運営していたEdition NIkOというレーベルのハンドメイド系CDRや(ほとんど廃盤ですね)それに僕がこれまでに携わってきた他レーベルの作品。あ、そしてこれだ。これならこの質問に直接的な答えが出せる。僕がとても親交のある香港のサウンドアーティストEdwin LoによるRabbit Travelogueレーベルの作品、これはフィールドレコーディングに特化した作品で僕個人的にもフィーレコで音楽を創る人なので強烈なシンパシーを感じましたね。なによりも「香港」という特別な区域で、誰にも知られずひっそりフィールドレコーディング。彼の作品には「孤独感」や「空虚感」が音像に纏わりついていて、僕のテーマに強くリンクしています。とても魅力を感じています。

– 昨今のCD不況と言われている状況で、今後のレーベルとしての方向性や考えなどがあれば教えてください。
また、アーティストとしての立場においてデジタル配信でリリースすることに関してはどういった考えをお持ちでしょうか。

僕は、というかSIGNALDADAはまだまだCDでのリリースを続けますよ。僕の世代が最後なんですかね、CDというフィジカルへ想いを馳せるのは。僕より下だと、ファイルやネットレーベルですもん。ですもん、って否定的な響きで捉えられては困るので、注意書きしますが、僕はあくまでもCDという物質的な重みも音楽の重要事項に含んでいるので。そういった考えがある以上、対立的な構図は致し方ない、けどそれは決して、ファイルリリースを否定している事ではありません、ファイルにはファイルの利便性やその内wavやmp3なんて拡張子にも感覚的なフィジカルというのが生まれてくるんだと思いますし。要するに時代性ですね。僕は単純にCDというフィジカルに置いて特別な想いがあるし、そんなくだらない想いすら捨てきれていないし、なんだろ、冒頭でも触れましたが、これも僕の逸脱点です。ファイル中心の世の中でも、なんとかCDで進めていく。ぶれないオルタナティヴで居たいけど、うーん、わからん、ファイルでリリースするものも予定として今後ありますし(笑)

– 最後に今後の活動予定を教えてください。

今スペイン語を勉強しています。というのも、ヴォーカルアルバムを次回作に考えていて、恐らく今作NICE DOLL TO TALKの冒頭数分で聴く事の出来る過剰なカットアップな構成になるとは思うのですが、3枚目は僕自身が歌います。英語が僕の母国語なんですが、英語の発音に飽きてしまって。これに何か別のイントネーションやアクセントが入ったら、と考えてスペイン語を選びました。erinaちゃんという良き友人が僕のスペイン語の先生なのですが、彼女に懸かってますね、僕がどれだけスペイン語を短期間で取得できるか。ほんとに面白いんですよ、スパニッシュの響きって。英語と混ざると凄い新鮮なんです。他には、shotahirama and the broken flowersというバンドが活動開始になります。Mamoru Yokotaというギタリストを僕のコンピューターに取り込んでマニピュレートして作品を創っていきます。ピークサイレンス様でも今後情報を取り扱って頂けると嬉しいです(笑)

shotahirama – NICE DOLL TO TALK

2012.10.7 リリース
Label:SIGNALDADA
Cat:SIGNAL006

1. Nothing But You And Me (14:22)

shotahiramaプロフィール


「ノイズ、具体音が曲想的な音楽に」(Sound&Recording誌 11年5月号)「ドラスティックに引き裂かれる時間と空間」(音楽家 evala /port, ATAK)とデビューアルバムが話題を呼び、続く2枚目では「繰り返し聴いて徐々に染み込む良さ」(音楽家 Ametsub)「ドラマ性と奔放さを兼ね備えた電子音楽」(Sound&Recording誌 12年11月号)と評されたニューヨーク出身の音楽家 shotahirama(平間翔太) 。2010年に音楽レーベルとして原盤の企画制作及び音楽出版他、CDライナーノーツの翻訳/英訳を請け負う等の事業を展開する SIGNALDADA を設立。2011年のデビューアルバム以降これまでに2枚のソロCDアルバムをリリースしている。

翻訳家/通訳としては、これまでに2011年ドイツ・ビーレフェルトで劇場公開された古舘徹夫氏による演劇作品 Death Fragments – Buchner, 23 years old にて脚本英訳を担当、スイスで国内最高峰と呼ばれる芸術賞スイス・アートアワードを受賞したアーティスト Pe Lang の日本初展示にてインタビュアー/通訳として参加。2012年には東京都写真美術館が主宰する第4回恵比寿映像祭に出展された mAtter キュレーション展示 Between VISUAL and SPATIAL にインタビュアー/通訳として参加している。その他、幾つかのCD作品にてライナー、歌詞翻訳等も担当する。

http://www.signaldada.com

[Interview] Lady Citizen

– まず始めに音楽的な背景を教えてください。10代の頃等どういった音楽を聴いていましたか?
また、クラブミュージックを聞くようになったきっかけなどあれば教えてください。

中学生の時、たまたま当時のファッション雑誌に載っていたOasisのインタビューを読んだのがきっかけでUKの音楽に興味を持つようになりました。その後は友人に教えてもらったRageAgainst the Machine、The Smashing Pumpkins、The goo goo dollsとかUSのミックスチャー、オルタナ系を聴いていましたが、RageのLive albumのライナーノーツにビートニク詩人アレン・ギンズバーグのことが書いていて、そこからサイケな音楽をよく聴くようになりましたね。13th floor elevatorsとか。Club Musicは最初エレクトロニカが入り口です。Takagi Masakatsuさん、Aoki TakamasaさんのユニットSilicomのDVDみたさにDVDデッキ購入したのを今でも覚えています。その後は大学生の時、友人にKyoto Jazz MassiveとかJazztronikさんとかClub Jazzをすすめられてよく聴いていました。ただそれと平行してバイト先の先輩にもらったAcid Houseの古いコンピとかURとかも聴いていましたね。

– Lady Citizenとしての活動はいつくらいから始めたのでしょうか?

Lady Citizenは今から7年ほど前オーストラリアのメルボルンという街に住んでいた時始めました。最初はJazzy Hip hopとか、Glitchな音楽が好きで、サンプリングしてEditするという感じの曲が多かったですね。

– これまで数多くのリリースをしてきたと思いますがその中でも特に印象に残っているリリース等あれば教えてください。

「Sunset Loop EP」というものがありまして、ANという日本のレーベルからデジタルリリースしたものですね。実は日本のレーベルからリリースの話をいただいたのはそこがはじめてでした。オリジナルMIXはすでにそこのコンピレーションCDに収録していただいたんですが、デジタル盤を出すにあたり、Sunset loop(Reprise)と、Sunset Loop – LC Urban Sunset mixという前者はにわかに海外でも流行り始めていたエレクトロハウスにDubstep風のWobble Bassをブレイクに突っ込むというスタイルを取り入れ、後者はこれまたUK Funkyが取り上げられだした時期でそういうトレンドをいち早く取り入れようとして時期でした。

– 現在はロンドンを拠点に活動中ですが、日本とロンドンのクラブシーンについて違いはありますか?

日本はどうしても東京のトレンドが中心で、それが全国に拡散されていく感じですよね。あと人気ジャンルの影響力がとても強いと思っています。英国は地方から起こる音楽、昔だったらTrip Hopとか、ちょっと前だったらWonkyとかそういうのがロンドンに入ってきて世界に拡散されるみたいなところが面白いし、やはり音楽が盛んな都市ですので、色々なジャンルの音楽が聴けるのが良い所だと思います。例えば週末、今日はHard Techno聴きたいなと思ったら、Surgeonのパーティーとかが普通にやっていたりします。非常に大雑把な例ですが、日本ではあまり現場で聴く事が出来ないパーティーが沢山あるのは一音楽ファンとして嬉しい限りです。

– ロンドンを拠点にすることで楽曲制作に関する影響はいかがでしょうか?

ちょっと前なら最新の音楽を勉強して自分の作品に取り入れるのにやっきになっていたのですが、ロンドンに移ってからはそういった最新の音楽を聴いて、一旦考えて、その上で自分の作品にオリジナリティーを出すにはどうしたらいいか?ということを考えられるようになったのは大きいかなと思いますね。レベルの高い模倣ではなく、どうしたら海外のシーンに受け入れてもらえるかというのをよく考えています。

– DJ/アーティストとしての活動の他にも”FUXX THE HYPE”というブログメディアも運営していますが立ち上げたきっかけを教えてください。

前述しましたが、単純に日本国内はどうしてもシーンが一本化されているところがあって、その本流に乗る事ができなかったら、なかなか世間の人に知ってもらえないってのがありますよね?自分の周りにはすごく良いDJや、トラックメイカーさんが沢山いて、そういう現状になんとか抗いたいと思って始めたのがきっかけです。

結局、そういった本流ってやはり個人の力ではなかなか動かせないんですよね。でもどういうわけか、一人でなんとかしようとして、壁にぶち当たる。それは時間の無駄だし、そうこうしている間にまた海外に差をつけられる。一人では無理でも実力がある者が結集すればなんとかなるのかなと。

あと、やはり単純に音楽のファンなので、毎回取り上げさせていただく方に、良い音楽を聴かせていただいて、また勉強させていただいてありがとうという感謝と敬意を込めて紹介させていただいているつもりです。

僕もかつて、日本のクラブシーンに全く受け入れてもらえず、よく文句を言っていました(笑)。人間の心は弱いからそんなもんですよね。でもそれじゃ何も変わらない。だからもっと色々考えようと。僕がもっと世間に知っていただけたらこのブログも知ってもらえるし、このブログで紹介しているアーティストも知ってもらえる。そうすることで、今のシーンに食い込む、変えていく原動力になればと思っています。

http://fuxxthehype.blogspot.jp/

– ロンドンで開催されているパーティーのレポート等もあって毎回とても興味深い内容が多いのですが、最近行かれた中で印象に残っているパーティーやアーティスト等を教えてください。

そうですね。一番はScubaの出演していたパーティーです。彼はHotflushというレーベルをやっていて、どちらかというと”Bass Musicの人”という印象が強いのですが、DJ自体はFrankie Knuckles、Satoshi Tomieとかの曲もかけたりもするし、かなり幅広く、また知識、キャリアの豊富さを感じさせてくれたので個人的に面白かったです。

あとEast Londonで”Dystopia”というパーティーがあるのですが、そこのセレクトは毎回本当におもしろいです。

– 次に、10/20にリリースする”Ash colored EP”について教えてください。
1曲目の”Circle Friends”等もダブテクノ/ミニマルダブをベースとしながらも、所謂Basic Channelのスタイルを継承しているわけではなく、昨今のBass Music等の影響も受けているように感じたのですが、EPの制作に関するエピソードがあれば教えてください

ちょっと前までLady CitizenはBass Music系のDJ,トラックメイカーという風に考えてくれている方が結構いたりするのですが、実は僕はDub, とりわけON-UなどのUK Dubにすごく影響を受けているのです。
もちろん、Basic Channelはすごく好きで、1990年頃のAndrew Weatherallとかからも影響を受けていますが、今回は単純にDub処理した残響エフェクトとか近年影響を受けていたUK Bassの感じを掛け合わせて4つ打ち系の物を作りたいなと考えたのがきっかけです。

– 最近のお気に入りの曲を教えてください。

FTH Blogに取り上げている曲は全て最近のお気に入りですが、あえてあげるならこの3曲ですね。
1. Dadub – Metropolis
2. Broken haze – One Dimentional Machine Sex

3. Kidsuke (kidkanevil x Daisuke Tanabe) – Tiny Concrete Block

– 最後に今後の活動予定を教えてください

まず10月中は日本で下記日程でDJさせていただきます。
10/19 Love Tribe @ Daikanyama Air, Tokyo
10/20 AN/AY Showcase @ Bullet’s, Tokyo
10/25 glam @ Onzieme, Osaka
10/26 Interplay @ Club Move, Otuその後ロンドンに戻り、11月にロンドンでDJしたり、今進めているプロジェクトに取りかかる予定です。
また12/31に上海でのDJが決定いたしましたので、そのくらいの時期に日本にもまたちょっと滞在する予定です。

リリースの予定は
10/20に日本のAN/AYさんからAsh colored groove EPというオリジナルEP,
そして10月末にはMix CD/FH03 – Voice from E1 5DSもリリースします。
それと年明けくらいにポーランドのダンスミュージックコンピレーションに曲を提供したものが
発売されたり、来年にはCD full albumもリリースする予定です!

Lady Citizen – Ash colored EP

2012.10.20 (土) beatport exclusiveリリース
Label:AN
Cat:AN030
1. Circle Friends
2. On my way
3. Near future
4. Phantom tech
5. The love burns
6. Body

[peak silence EXCLUSIVE]
48時間限定で”Ash colored EP”に収録の”Circle Friends”をフリーダウンロードで公開
ダウンロード期間:2012年10月18日0:00〜2012年10月19日23:59
※無料ダウンロード期間は終了しました。

Party Info

2012.10.19(金)
“LOVE TRIBE” @代官山Air
【ARTIST】JAZZTRONIK, KEIZOmachine!, Mitsu the Beats, Lady Citizen, ONI, Lily (Tap dancer), datdesign, i-sakurai (ugdrcl), VITA, SHIGe

2012.10.20(土)
“AN/AY Showcase 01 -Layer Forest Release Party-” @西麻布Bullet’s
【ARTIST】Lady Citizen,def,Lutris,kazuya kawakami,JUNICHI WATANABE,terra,Reqterdrumer,beople,katsuyuki taguchi

2012.10.25(木)
“glam” @大阪Onzieme
【ARTIST】Lady Citizen, Jaguar, keiburger, KEN-P, h.nakajima, TARO, SKINNY, tommy

2012.10.26(金)
Interplay @ Club Move, Otu

http://iflyer.tv/ladycitizen?lang=en#u_events

Lady Citizenプロフィール


ロンドン在住の音楽プロデューサー、Jun Fukunagaによるソロプロジェクト。これまでにHouse, Electro, Techno, Progressive House, Bass MusicなどのオリジナルEPをドイツ、イギリス、アルゼンチン、ベルギー、タイ、アメリカ、日本、イタリアなどのダンスミュージックレーベルからリリース。

リミキサーとしても積極的に活動中。その作品はJuno download, djtunes.comなどヨーロッパベースのデジタル配信サイトの上位にランクインすることもしばしば。

また2011年、世界のトップクラブとして名高いイビザのクラブ、Amnesiaが運営するRadio AmnesiaがKing Jackal/U ask for me – Lady Citizen Remixをエアプレー。改めてそのトラックメイキングのクオリティーを証明する事になった。さらに最近ではLady Citizenの曲, DJ mixは多くのMusic web magazine, Music
blogにフィーチャーされ、またここ日本でもMusician/Producer/DJであるTaku Takahashi(m-flo)のTCY Radio/block FM等で何度もAir playされている。

DJとしては2012年8月に行われたBerlin(GER)でのDJ tourも現地のクラウドから熱狂的に支持され、10月には上海、北京、東京、大阪、名古屋などを回るアジアツアーが予定されている。

今後はCDアルバム「Dub tech laboratory」と2013年発売予定のLondonのシンガーをプロデュースしたCDアルバムのリリース予定。

http://soundcloud.com/lady-citizen
https://www.facebook.com/ladycitizen
http://ladycitizen.tumblr.com/
http://twitter.com/#!/LadyCitizen69
http://residentadvisor.net/dj/ladycitizen
http://www.myspace.com/ladycitizen69
http://fuxxthehype.blogspot.co.uk/